経口摂取リハビリテーションとは
2012年02月13日
人間にとって、「食べる」という行為は、生命維持に必須の条件であり、
また、生活を楽しむ、という面においても大きな意味を持ちます。
味わう、コミュニケーションを図るということは、人が幸せな人生を送る上で欠かせないものです。
普段、何気なく「食べる」ことを行っているわたしたちですが、
この行為には、一連の機能と運動が関係しています。
脳には摂食中枢があり、この指示により、口や喉を動かし、水分や食物を口に取り込み、胃に送ります。
この一連の機能と運動を「摂食・嚥下運動」といいます。
しかし、この「摂食・嚥下機能」に障害が生じることがあり、食物を飲み込む際、
気管に入ってしまったり、飲み込むことができずに、喉に留まってしまうという症状が見られることがあります。
原因としては、脳卒中などの脳の障害、パーキンソン病といった神経・筋肉の疾患、
または、舌・咽頭・喉頭癌などが挙げられます。
摂食・嚥下障害になると、栄養の摂取不可や脱水、肺炎や窒息等の生命を脅かす危険性が生じます。
また、食べる楽しみが失われ、QOLの維持が不可能になります。
経口摂取リハビリテーションは、このような疾患をもつ患者が、
安全に、また楽しく生活するために、再び自分の口から食物を摂り入れられるよう、
食事や栄養摂取の方法を確立することを目指しています。